未整理の古い写真があります。主に大正から昭和の頃の写真だろうと思われます。その中に、面白いものがありました。画用紙に 神輿などが写った小さな写真が 10枚 無造作に貼られているのです。
ほとんどの古い写真はバラで袋に入れられていて「いつ・何処で・誰が(何が)」写っているのかよく分からなくなっています。ところが、この画用紙の写真は、ある年の三社祭の1~2日の光景を撮ったスナップのようです。三社祭とあれば興味が湧くし、時代や場所なども特定出来そうなので、ちょっと詳しく見て調べてみようと思いました。
上がその写真の画用紙です。どうですか、子供が無造作に貼ったみたいでしょう!?
まず、時代と場所が特定出来そうな写真から見てみます。 (下の写真をクリックすると大きな画像が出ます)
上の写真左は建築中の工事現場脇の路地から出てきた宮神輿(浅草神社の本社大神輿)です。右端には路面電車が見えています。右の写真は、路面電車を追い越した神輿が、2階の細長い窓が特徴のレンガ作りの建物に間もなく差し掛かろうとしています。この建物こそ大正10年落成で現在も使われている神谷バーの神谷ビルです。この方向に神谷バーが見えるので、当店の2階の窓から撮影した写真だとわかります。
そして建設中の建物は、当店の正面なので 地下鉄本社ビルだった 雷門ビル ということになります。(このビルは最近までありましたが、残念ながら数年前に建て替えられました>「消えた近代建築;廃景録」の記事へ)
完成後の「東京地下鉄雷門ビル」の写真を右に載せましたが、とんがり帽子をのせ壁面は斜め模様が入るという独創的な姿をしていたようです。その地下鉄ビルが完成したのは 昭和4年だそうなので、上記の写真は前年の 昭和3年5月の三社祭ではないかと推測しました。(*写真参照 新光社「日本地理風俗大系 第2巻」1930年頃の東京地下鉄道ビル ウィキペディア)
長くなりそうなので、残りの写真については また次回お話しますね。
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